ヒト胃癌と大腸癌における膵関連酵素タンパクとmRNAの局在と役割

1998 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 10877091
• 研究機関: 鳥取大学
• 研究代表者: 寺田 忠史 鳥取大学, 医学部, 教授 (30188677)
• 研究分担者: 北村 幸郷 鳥取大学, 医学部, 助教授 (20204919)
• キーワード: 胃 / 大腸 / 胃癌 / 大腸癌 / 膵α-アミラーゼ / トリプシン / リパーゼ / キモトリプシン

研究概要

外科切除胃癌および大腸癌のホルマリン固定・パラフィン包埋切片より、膵関連消化酵素(膵αアミラーゼ、トリプシノーゲン、キモトリプシノーゲン、膵リパーゼ)の免疫染色を酵素抗体間接法(ABC法)で行った。その結果、正常胃粘膜と胃癌の60%では発現が見られた。一方、正常大腸粘膜では発現がなく、大腸癌では発現が40%にみられた。合成オリゴヌクレオチドのプローブ(センス+アンチセンス)を用い、可視化はビオチン標識digoxygeninを用いたIn situ hybridizationでは、アンチセンスプローブで膵関連消化酵素(膵αアミラーゼ、トリプシノーゲン、キモトリプシノーゲン、膵リパーゼ)mRNAのシグナルが見られたが、センスプローブでは見られなかった。このIn situ hybridizationでは、シグナルは正常胃粘膜でみられ、正常大腸粘膜ではなかった。新鮮材料をホモゲナイズし、市販のキットを用いて、組織における膵αアミラーゼ、トリプシン、キモトリプシノーゲン、膵リパーゼ、膵αアミラーゼの酵素活性を測定した。その結果、正常胃粘膜、胃癌および大腸癌では活性が見られが、正常大腸粘膜で活性がなかった。新鮮材料よりタンパクを抽出し、ポリアクリルアミドゲルで電気泳動し、ニトロセルロース膜に転写し、ECL法にて可視化し、膵関連消化酵素タンパクの有無をWestern blotで検討した。その結果、正常胃粘膜と胃癌でシグナルが見られた。正常大腸粘膜と大腸癌では未だ検討中である。

研究成果

• [文献書誌] Terada T et al: "Immunohistochemical demonstration of Met・・・" Hum Pathol. 29. 175-180 (1998)
• [文献書誌] Teroda T et al: "Cell proliferattue activity in intraductol・・・・" Arch Pathol Lab Med. 122. 42-46 (1998)
• [文献書誌] Ashida K, Terada T et al: "Expression of E-cadherin,α-catrnin・・・・" Hepatology. 27. 974-982 (1998)
• [文献書誌] Terada T et al: "Expression of pancreatic α-amylase・・・・" Liver. 18. 313-319 (1998)
• [文献書誌] Terada et al: "C-erbB2 protein is expressed" Histopathology. 33. 325-331 (1998)
• [文献書誌] Shimada A, Terada T et al: "Aberront expression of double-strended・・・・" Cancer Res. 58. 4434-4438 (1998)
• [文献書誌] Terada T.: "Methods in disease" Greeen wich Medical Media Ltd, 309 (1998)
• [文献書誌] 寺田忠史: "肝結後の生検診断" 文光堂,