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1999 年度 実績報告書

ヒト胃癌と大腸癌における膵関連酵素タンパクとmRNAの局在と役割

研究課題

研究課題/領域番号 10877091
研究機関鳥取大学

研究代表者

寺田 忠史  鳥取大学, 医学部, 教授 (30188677)

研究分担者 北村 幸郷  鳥取大学, 医学部, 助教授 (20204919)
キーワード胃癌 / 大腸癌 / 膵消化酵素 / トリプシン / キモトリプシン / リパーゼ / ウエスタンブロット / RT-PCR
研究概要

ヒト胃癌と大腸癌における膵関連消化酵素(アミラーゼ、リパーゼ、トリプシン、キモトリプシン)の蛋白とmRNAの発現を、免疫組織化学、Western blot解析、in situ hybridezation、酵素活性の生化学的分析を用い検討した。材料は外科的切除された胃癌、大腸癌を用いた。免疫組織化学では、胃癌と大腸癌の細胞質に、アミラーゼ、リパーゼ、トリプシン、キモトリプシンの免疫反応性を50-60%の症例で認めた。非腫瘍部の胃、大腸組織では殆ど免疫反応性は見られなかった。Western blot解析では、胃癌と大腸癌組織から採取した蛋白に、アミラーゼ、リパーゼ、トリプシン、キモトリプシンの特異的バンドが、55%の症例に認められた。非腫瘍部の胃、大腸組織では、殆どバンドが見られなかった。In situ hybridizationによるmRNAの分析では、アミラーゼ、リパーゼ、トリプシン、キモトリプシンのmRNAのシグナルが、胃癌と大腸癌の細胞の細胞質に認められ、その頻度は50-60%であった。非腫瘍部の胃、大腸組織では、殆どシグナルが見られなかった。RT-PCRによるmRNAの分析では、アミラーゼ、リパーゼ、トリプシン、キモトリプシンのmRNAのシグナルが、50-60%に見られた。酵素活性の生化学的分析では、胃癌と大腸癌組織から採取した蛋白にアミラーゼ、リパーゼ、トリプシン、キモトリプシンの酵素活性を認め、それらは非腫瘍部に比べ増加していた。これらの結果より、胃癌と大腸癌の発生過程において、アミラーゼ、リパーゼ、トリプシン、キモトリプシンなどの膵関連消化酵素のmRNAと蛋白が発現することが見いだされた。これらの膵関連消化酵素は細胞外器質蛋白を分解することが知られ、胃癌と大腸癌の浸潤や転移に重要な役割を果たしていることが推測された。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Terada T et al: "Immunohistochemical demonstration・・・"Hum Pathol. 29. 175-180 (1998)

  • [文献書誌] Terada T et al: "Cell proliferative activity・・・"Arch Pathlo Lab Med. 122. 42-46 (1998)

  • [文献書誌] Terada T et al: "Ezpression of E-codherin・・・"J Hepatol. 28. 263-269 (1998)

  • [文献書誌] Terada T et al: "Expression of pancreatic・・・"Liver. 18. 313-319 (1998)

  • [文献書誌] Terada T et al: "C-erb B2 protein is・・・"Histopathology. 33. 325-331 (1998)

  • [文献書誌] Terada T et al: "Mexed ductal-endocrine・・・"Virchows Archives. 435. 606-611 (1999)

  • [文献書誌] Terada T et al: "Immunohistochemical....."Greenwich Mecical Media Ltd. 9 (1998)

  • [文献書誌] 寺田忠史: "肝臓フォーラム'98記録集"医事出版社. 16 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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