本年度はマウス肺線維症モデルにおけるα SMAおよびコラーゲン合成の特異的分子シャペロンであるHeatShock Protein (HSP)47の関与を検討した。BC6/C3Flマウスに塩酸ブレオマイシンを10日間腹腔内投与し1、15、29日後に肺を摘出した。ノザン法、免疫組織化学にてHSP47の発現動態を検討した。ノザン法ではHSP47mRNAは1日目より増加し(正常の約2倍)、15日目まで増加傾向を示した。肺間質の線維化部位にはHSP47の強い発現を免疫組織化学にて認め、その分布部位はα SMAの分布部位と一致していた。α SMAおよびHSP47が肺線維化に関与していることが示唆された。今後は既に作成している血管平滑筋特異的なCAT蛋白を発現するα SMAプロモータートランスジェニックマウスで肺線維症モデルを作成しCAT蛋白の発現を確認する、(ii)intron 1を中心にプロモーター構造配列に変異・欠失を導入したトランスジェニックマウスを数系統作成し、形質変化時の発現や組織特異的な発現への影響の検討を行うとともにHSP47発現への影響を検討する。
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