1) 組織構築パラメーターにもとづく乾癬組織構築モデルの立案 乾癬組織の組織構築を各種パラメーターを用いて定量解析し、モデルを決定した。顆粒層マイナス、プラスの各々の乾癬につき決定し、ついで両者の相互移行の機構を調べた。計測は真皮乳頭間距離(D)、真皮乳頭幅(W)、真皮乳頭高(H)、真皮乳頭上方表皮厚(B)等のパラメーターである。これらは2次元垂直切片で類推可能であるが、水平切片のもとで確認された。コンピューター計算はMathematica softversion2.2を用いて行い、モデルが確定した段階で、各種増殖パラメーター(増殖率、ターンオーバー時間)を逆算し、現実のデータと比較検討した。その結果、両者の合致は極めて良好であることが示された。 2) モデルに基づく乾癬表皮の角化様式の整合性の検討 顆粒層プラス、マイナスを評価する場合、角化様式の定量的評価が決定的な意味を持つため、パラメーターとして増殖率(ならびに細胞死率)と各種角化マーカー(インボルクリン、SPRR、ロリクリン、フィラグリン)を用いた終末角化までの時間を検討した。顆粒層プラスの乾癬では、マイナスの乾癬と比べ1.28倍以上、表皮交代時間が長く、その時間を利用して、顆粒層マーカーが出現することが示された。
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