研究課題/領域番号 |
10877134
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小野 博紀 名古屋大学, 医学部, 教授 (50224275)
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研究分担者 |
宮村 佳典 名古屋大学, 医学部, 助手 (50272034)
岩井 昭樹 名古屋大学, 医学部, 助手
安立 あゆみ 名古屋大学, 医学部, 講師 (00151069)
富田 靖 名古屋大学, 医学部, 教授 (70108512)
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キーワード | 色素異常症 |
研究概要 |
本研究では最近明らかにされたメラニン生成経路の二つの酵素dopachorome tautomeraseとDHICA opxidaseの遺伝子変異により起こる色素異常症の検索と、その病態を明らかにする。つまり理論的に存在が予測される未知の新しい疾患の発見と同定を試みる。具体的には、(1)全身性に低色素の患者、チロジナーゼ(以下Taseと略す)陰性型白皮症以外の白皮症患者、色白な人、頭髪の褐色っぽい人、出生時には白皮症様に白かったが成長に伴って正常な皮膚色となった人の血液を採取する。(2)これら血液中のリンパ球から染色体遺伝子を抽出し、まずTase遺伝子に異常の有無を確認する。(3)Tase遺伝子に異常の無いサンプルについて、前述の2酵素の遺伝子変異を検索する。以上がまず最初の段階の研究手順である。 最初に検討した患者は、生下時には金髪で、皮膚はクリーム様白色でありTase陽性型白皮症と思われたが、生後9カ月には褐色の頭髪、比較的白い肌になり色白という程度に変化しており、全身性白皮症とは言えず本研究に合致した症例である。まずTase遺伝子を検索したところ、コドン310での挿入変異がへテロ接合性に見つかった。この変異はTase活性を完全に失わせTase陰性型白皮症の病因の変異であることが知られている。もう一つの変異はTaseのイントロン2の3′末端に2塩基の脱落とその後に1塩基の置換がヘテロ接合性に見い出された。この変異の意義は不明だが、恐らくこれが、患者の頭髪を褐色にする程度のわずかのTase活性を残す変異と想像され、現在これについて検討中である。
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