研究課題/領域番号 |
10877138
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
小平 奈美 浜松医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (30293624)
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研究分担者 |
礒田 治夫 浜松医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (40223060)
磯貝 聡 浜松医科大学, 医学部, 助手 (20311706)
竹原 康雄 浜松医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (70188217)
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キーワード | hysterosalpingography / magnetic resonance imaging |
研究概要 |
1.目的:MRI装置下で子宮卵管造影(MR Hysterosalpingography、以下MR-HSG)を行い、X線透視下で施行した子宮卵管造影像(HSG)と比較検討すること。 2.方法:今年度は、雌ウサギ3羽全てを開腹してHSG,MR-HSGを施行した。泌尿生殖器の位置関係を直視下で観察しつつカテーテルを子宮まで挿入し固定した。撮像方法は昨年度と同様とした。HSGではヨード造影剤を用いた。MR-HSGでは、生理食塩水と希釈MR用造影剤を用いて別々に連続撮像を行い、各々MR hydrography、contrast-enhanced MR-HSGとした。2種類のMR-HSG撮像後、現有のワークステーションを用いて画像処理を行った。通常のHSG像とMR-HSG像を比較検討した。 3.結果と考察:卵管が描出できたのは、HSG1例2側、MR-HSG3例6側であり、MR-HSGの方が末梢まで良好に描出された。MR-HSGでは、生理食塩水あるいは希釈造影剤が、少なくとも一方の子宮・卵管内を経時的に移動する画像が得られた。2種類のMR-HSGのうち、MR hydrographyの方が優れていたものが2例4側、contrast-enhance MR-HSGの方が優れていたものが1例2側であった。MR-HSGの方がHSGよりも良好に描出された理由として、HSGで用いたヨード造影剤の粘稠度が高いこと、造影剤により卵管にスパスムスを生じたこと等が考えられた。 現在のところMRI検査ではヒトの正常な卵管の同定が困難であり、直ちに臨床応用には至らない。しかし今回の実験で、MRI下でも、HSGの手技を用いて、X線被曝なく且つ造影剤を用いずに卵管を描出できる可能性が示唆され、将来的に女性不妊患者の診断の一助にもなり得ると考えられた。
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