1)まず、PVAゲル封入型MRIファントムを用いた物理的検討では、1.周波数off-set量はSNRを考慮し500-1000Hz、2.MTCパルスの印加時間は、印加時間を短くしslice数を増やしMTC pulse数を増やす、3.muti-slice数は最大、4.MTCパルスの印加強度も最大、5.TRは息止めの長さSNRやpulse数を考慮し150-200msec、5.Interleavingはoff、6.slice厚/gap率は、slice厚をSNRを考慮し5-8mm、Gapは信号強度を考慮しslice厚の2-12%が最適なシークエンスと結論し、平成12年9月の日本磁気共鳴学会で結果の報告を行った。 2)これらの結果を踏まえ、MTCパルス(Gaussian-like shape pulse)の印可時間を2msec、印加強度を500度、TR/TE/FAを170msec/5msec/70度、off set周波数を500Hz、multi-slice数は、MTCパルスonで6 slices、offで3 slices、slice厚/gapは6-8mm/1mm、Matrixは224x256、加算回数1回、撮像時間39秒とし、種々の女性骨盤内病変のMRI画像を撮像し得られた信号強度からMTRを算出した。得られた平均MTRは、皮下脂肪が2.21、膀胱が-7.13、骨格筋が28.84、子宮筋層が22.92で、筋腫結節は25.46、子宮頸癌は24.35、卵巣嚢胞性病変は0.07、卵巣類皮嚢胞腫が1.56、子宮内膜症性嚢胞が6.15という結果を得、平成12年9月の日本磁気共鳴学会で結果の報告を行った。 3)更に本研究の最終目的である種々の卵巣腫瘍に対し、前述した撮像法を用いてMTRを算出した。良性病変のMTRは嚢胞腺腫で0.61、shadingを有する子宮内膜症性嚢胞で6.40、有さないもので6.04と一桁の価であったのに対し、卵巣腫瘍の充実部は20.16と高い価を呈し両者の鑑別が可能と思われ平成12年11月の北米放射線学会で報告した。
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