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1998 年度 実績報告書

腎糸球体形成の分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 10877164
研究機関群馬大学

研究代表者

小島 至  群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (60143492)

キーワード分化誘導 / 形態形成 / 尿細管 / アクチビン / フォリスタチン / 管腔形成
研究概要

腎臓の尿細管形成におけるアクチビン・フォリスタチン系の役割を明らかにするため,MDCK細胞をモデル系としてその尿細管形成を検討した。MDCK細胞はコラーゲンゲル内で肝細胞増殖因子(HGF)とともに培養すると形態変化を遂げ,管腔構造を呈すると共に分枝をおこす。HGFとともにアクチビンAを同時に添加するとこのHGFによる管腔形成・分枝は著明に抑制される。一方,アクチビン作用を抑制するフォリスタチンを添加するとHGF添加の場合と同様にMDCK細胞は管腔構造を呈し,さらに培養を続けると分枝を示した。つまりHGF作用を再現することが明らかになった。このフォリスタチンの作用はアクチビンの細胞内シグナル伝達を抑制する変異アクチビン受容体遺伝子をアデノウイルスベクターによりMDCK細胞に導入した場合にも同様に認められた。したがってアクチビン作用を抑制することにより管腔形成・分技が起こることが明らかになった。さらにHGFをMDCK細胞に添加するとアクチビンのβ_AサブユニットmRNAの発現されることが明らかになり,HGFがアクチビンAの産生を抑制することが判明した。以上の結果を総合すると,尿細管形成に重要な働きをしているとされているHGFは尿細管細胞のオートクリン因子アクチビンAの産生を抑制することにより管腔形成・分技を起こすことが明らかになった。MDCK細胞は尿細管形成のモデルであることから,尿細管形成にはアクチビン・フォリスタチン系が重要な役割を果たしていると結論された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Zhang,Y.Q.,Furukawa,M.,Shibata,H.and Kojima,I.: "Involvement of Smad Proteins in the Differentiation of AR42J cells induced by activin A." Diabetolosia. (印刷中).

  • [文献書誌] Furukawa,M.,Zhang.Y,Q,Lin,N.Sibata,H.and Kojima,I.: "Role of MAP kinase and PI 3-kinase in the differentiation of AR42J cells induced by hepatocyte growth factor." Diabetologia. (印刷中).

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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