研究概要 |
1. 全胚培養下ラットへのオリゴヌクレオチド投与 (1) 受精後9.5日ラット胚をローテーター式全胚培養装置にて培養後10.0日目にマニピュレーターでFITC標識オリゴヌクレオチドを羊膜腔内へ投与(10μM〜50μM)。胚内ヘオリゴヌクレオチドが分布されていることを共焦点レーザー顕微鏡で確認した。 (2) 心形成遺伝子CsxのラットホモログのシークエンスからmRNAのアンチセンス・オリゴヌクレオチドを作成し,羊膜腔内投与を行い検討中である。コントロールとしてセンス・オリゴヌクレオチドを用いた。 2. 全胚培養下ラット胚への血管内皮増殖因子vascular endothelial growth factor(VEGF)投与 胎生期の心血管系の発生に重要であるVEGFの過剰投与が,胚形成に与える影響を検討するため,全胚培養10.0日胚の培養血清中にVEGF10〜50ng/mlを投与し,11.5日胚の形態を観察した。頂殿長と頭長が,コントロールでそれぞれ平均36.0mmと11.7mm,VEGF50ng/ml投与で33.3mmと9.0mmとVEGF投与で有意に発育不全,特に頭部の低形成が見られた。心形態には変化がなかった。またVEGF投与胚ではコントロールに比べて頭部や第1鰓弓の間葉細胞に組織学的にアポトーシスが著明にみられた。
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