研究概要 |
1.全胚培養下マウス胎芽へのオリゴヌクレオチド投与 妊娠7.5日(膣栓確認を胎生0日)のICRマウス胎芽をRotator systemで全胚培養。心臓特異的bHLH型転写因子であるeHANDのmRNA開始コドンから20merのアンチセンスS化(phosphor otioate型)オリゴヌクレオチドを10μMの濃度で,胎生8.0日(体節4〜5)の羊膜膣内への0.5μlマイクロインジェクションした。コントロールとして同領域のセンスS化オリゴヌクレオチドおよびPBSを同様に投与し,胎生10.0日に形態観察した。コントロールのPBS投与群では非投与群と同様の発育を示した。形態的にはセンス,アンチセンス投与群ともPBS投与群にくらべて発育不全が見られたが,頂殿長と頭長がセンス投与群(n=11)で平均25.5±1.5mm,6.8±1.3mm,アンチセンス投与群(n=12)で22.5±2.9と4.9±1.0mmとアンチセンス投与群で有意に低形成が著明であった(p<0.01)。心形態ではアンチセンス投与群で3/12(25.0%)にループ異常(l-loop)がみられた。 2.間葉系細胞へのオリゴヌクレオチドの細胞傷害の検討 マウス間葉系培養細胞10T1/2の培養上清中にオリゴヌクレオチドを投与し細胞毒性をMTT法で検討した。10μMの濃度までは細胞傷害は起こらず、50μMでは増殖が抑制された。
|