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1998 年度 実績報告書

アポトーシスの誘導と死細胞除去におけるオキシステロールの役割

研究課題

研究課題/領域番号 10877176
研究機関東京大学

研究代表者

石橋 俊  東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (90212919)

研究分担者 大須賀 淳一  東京大学, 医学部・附属病院, 医員
原田 賢治  東京大学, 医学部・附属病院, 医員
山田 信博  東京大学, 医学部・附属病院, 助教授 (40200729)
キーワードオキシステロール / コレステロール / 動脈硬化 / プラーク / アポトーシス / マクロファージ / 酸化LDL / Bcl-2
研究概要

オキシステロールはコレステロール酸化物の総称であり、細胞障害作用等の多様な生体内機能を有する。しかし、その詳細なメカニズムは不明である。プラークの安定性が急性心筋梗塞の発症素因として重要であることが明らかにされてきた。動脈硬化モデル動物のアテローム性動脈硬化病変におけるアポトーシス細胞の分布をterminal deoxynucleotidyl transferase-mediateddUTP nick end labeling(TUNEL)法を用いて検討した。その結果、TUNEL陽性細胞は、泡沫細胞のみが観察される初期病変に多数確認されることを見い出した。これらの細胞は、マクロファージか血管平滑筋に由来することを免疫組織染色によって確認した。細胞の泡沫化がアポトーシスに先行し、泡沫化が直接あるいは間接的に細胞死を誘導していると考えられた。一方、単球マクロファージ系の細胞株であるP388Dl細胞を用いた検討では、LDLやアセチルLDLと細胞をインキユベートしても泡沫化のみ観察されて、細胞死は観察されないが、酸化しLDLとのインキュベートでは、細胞の泡沫化とともに細胞死が観察された。その場合、DNAの断片化やアポトーシス体が観察されることから、ネクローシスではなくアポトーシスが細胞死の正体と考えられた。酸化しLDLのどの成分がアポトーシスを誘導したかについて、酸化しLDLの成分について、細胞死の誘導能を検討したところ、25ヒドロキシコレステロールや7ケトコレステロールなどのオキシステロールに最も強いアポトーシス誘導活性が存在することが明かとなった。オキシステロールによるアポトーシス誘導作用は、Bcl-2の発現仁よって部分的に抑制され、その経路はCaspase-3(CPP32)の抑制を介していることを明かにした。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] K Harada S Ishibashi,et al: "Bcl-2 protein inhibits oxysterol-induced apoptosis through suppressing CPP32-mediated pathway" FEBS lett. 411. 63-66 (1997)

  • [文献書誌] K Harada.S Ishibashi.et al: "Apoptotic cell death in atherosclerotic plasques of hyperlipidemic knockout mice" Atherosclerosis. 135. 235-239 (1997)

  • [文献書誌] H Abe,N Yamada.et al: "Hypertension,hypertriglyceridemia,and impaired endothelium-dependent vascular relazation in mice lacking insulin receptor substrate-1." J Clin Invest. 101. 1784-1788 (1998)

  • [文献書誌] L Sun,S Ishibashi.et al.: "Clinical features associated with the homozygous Trp64Arg mutation of the b3-adrenaergic receptor:No evidence for its association with obesity in Japanese." Arterioscler Thromb.Vasc Biol. 18. 941-946 (1998)

  • [文献書誌] J Osuga S Ishibashi.et al.: "Cholesterol-lowering in low density Iipoprotein receptor knockout mice overexpressing apolipoprotein E." J Clin Invest. 102. 386-394 (1998)

  • [文献書誌] K Ohashi,S Ishibashi,et al.: "A truncated species of apolipoprotein B(B-38.7)in a patient with homozygous hypobetalipoproteinemia:associated with diabetes mellitus." Arterioscler Thromb Vasc Biol. 18. 1330-1334 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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