研究概要 |
pharmacologic MRIを用いたパーキンソン病モデルの評価では、MRIにおいてgradient echo sequenceを用いたT2^★値の変化を捉える必要があるが、我々の現在までの経験からは、一般的な1.5テスラ臨床機MRIでは、パーキンソン病モデルであるラットの小さな脳を撮像しT2^★値を算出することは時間的空間的解像能の面から極めて困難であると思われる。そこで他の研究機関と協力のもと、高磁場MRIを用い研究を行う。これにより詳細なT2^★値を算出できると期待している。 パーキンソン病の評価方法として期待し得る他の方法で、MRS(magnetic resonance spectroscopy)がある。ハーバード大学のAnna-Liisaら(Nature Medicine.4.11.1998)はMPTP(1-methyl-4-phenyl-1,1,2,3,6 tetrahydropyridine)によるパーキンソン病モデルのサルを用いMRSを撮像し、正常サルと比較してlactate peakが出現し、NAA(N-acetylaspartate)peakが低下した、と報告した。現在我々はラットでパーキンソン病モデルを多数作成し、MRSを撮像し、正常ラットとパーキンソン病モデルラットと得られたデータの比較検討を試みている。これまでの結果では、パーキンソン病モデルラットでは正常ラットよりもNAA peakの低下、およびcholine peakが上昇することが認められているが、ラットの小さな脳のさらに一部を関心領域に撮像する必要があり、そのため得られたデータにはgradient echo sequenceの場合と同様にartifactが多く、これについても高磁場MRIにてデータの裏付けをとる必要があると思われる。
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