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1999 年度 実績報告書

血管形成術後の再狭窄に対するDNA/RNA合成阻害剤による治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 10877216
研究機関高知医科大学

研究代表者

美馬 達夫  高知医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (30192363)

キーワード経皮的血管形成術 / 再狭窄 / RNA合成阻害剤 / タンパク合成阻害剤 / アントラサイクリン / マイトマイシン / シクロヘキシミド / ラット
研究概要

血管再狭窄の病態には、内皮細胞および血管平滑筋の増殖が関与しており、vascularendothelial growth factor(VEGF)等の因子(タンパク)が増殖を誘導していると考えられている。DNAおよびRNA両方の合成阻害作用を持つアントラサイクリン系抗癌剤アドリアマイシンは、ラット総頚動脈を用いた血管再狭窄モデルにて、再狭窄を有意に抑制し、エンドセリン-1など少量のmRNA発現はほぼ完全に抑制しているが、βアクチンなど大量のmRNA発現は全く抑制できないことをRT-PCR法にて確認した。続いて、アドリアマイシン以外のアントラサイクリン系抗癌剤として、RNA合成阻害作用のみが強いアクチノマイシンD、DNA合成阻害作用をもちつつRNA合成阻害作用がアドリアマイシンよりl0倍強いとされるアクラルビシン、アドリアマイシンと向様のDNA/RNA合成阻害作用だが心毒牲が弱いファルモルビシン、さらにDNA合成阻害作用のみが強いマイトマイシン、RNAから夕ンパク合成の過程での阻害剤シクロヘキシミド、の再狭窄抑制効果をラット総頚動脈モデルにて検討した。薬剤は手術直後と7日後に腹腔内投与し、14日後に検討した。再狭窄の抑制効果は、アクラルビシンが一番優れ、続いてアドリアマイシン、ファルモルビシン、アクチノマイシンDと続いた。マイトマイシンは殆ど効果無く、また、サイクロヘキシミドは個体差が大きく、再狭窄が抑制されている動物と効果が全くない動物とばらつきが多かった。以上の結果は、血管再狭窄の病態には、何らかの因子の過剰発現を介した細胞増殖が生じており、DNA合成阻害は有効でなく、RNA合成阻害剤により、原因となる何らかの因子の発現を抑制することが最も効果的であることを示している。

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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