研究概要 |
平成10年度には各種のヒト下垂体腺腫におけるGHRH-RとPit-1 mRNAの発現の量的な関係をcompetitive RT-PCR法にて評価することができた。平成11年度はin situ hybridizationによりその発現を形態として観察し、定量結果と比較することを目的とした。 対象:paraffin包埋された機能性および非機能性の下垂体腺腫標本38例 方法: ♯ジゴキシゲニン標識cRNAプローブの作成 平成10年度に作成したプライマーによるPit-1のPCR product(428bp)を、pCRIIをvectorとしたTA cloning Kit(Invitrogen Co.,CA)を使用してクローニングし、精製した。このプラスミドを制限酵素EcoRVおよびBamHIで切断,それぞれに対しSP6およびT7 RNA polymeraseを作用させantisense probe,sense probeを作製した。probeをDIG RNA Labeling Kit(Boehringer Mannheim GmbH,Bicchemica,Mainnbeim,Germany)を使用し標識した。 ♯cRNA probeによるin situ hybridization 組織標本を前処理しhybridizationを行い、洗浄後にアルカリフォスファターゼ標識抗ジゴキシゲニン抗体を反応させ、Nitro blue tetrazolium/Bromochloroindoyl phosphate(NBT/BCIP)にて発色させて観察した。 結果:前処理、ハイブリダイゼーション、洗浄や検出法について様々な条件設定下で最適化を進める実験を行っているが、現在までのところでは信頼しうる結果は得られていない。プローブの再度の作成や、対象をOCTコンパウンドを使用した凍結検体などに変えた実験を施行することを検討している。またPit-1については市販されている抗体で免疫染色上での評価を検討している。
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