研究概要 |
前年度の研究を進め、家兎膝関節から分離した軟骨細胞にelectroporationでlacZgeneを導入し、導入後にlacZを発現させることに成功した。ついでTGFβ遺伝子をQinらの方法に準じて、軟骨細胞にBone morphogenetic protein 2,Transforming growth factor β1,basic fibroblast growth factorの導入実験を行った。この際、遺伝子導入の際の至適条件を求めるために、刺激電圧、刺激時間、細胞濃度、細胞浮遊液成分等を検討した。この結果、この至適条件の決定には導入条件によって細胞の生存率や遺伝子の発現率が大きく変化することが分かった。つまり、その条件設定は厳密性を要求するものであったため、現在その実験を繰り返している。TGF β1についてはその導入効率が約5%であった。また、その蛋白発現はELISA法によって、確認できたものの、低く、しかも導入した軟骨細胞の生存率が低いために、移植に有効な細胞s濃度を得ることが困難であることが判明した。これを改善すべく、実験を繰り返している。また、軟骨細胞だけでなく軟骨細胞に分化する間葉系幹細胞への遺伝子導入を現在検討している。これら細胞への導入効率と細胞生存率数をあげるべく導入方法を改善しするとともに、厳密な至適条件を求めている。この至適条件が設定出来次第、in vivoでの軟骨形成・再生への有効性を明らかにし、報告するつもりである。
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