研究課題/領域番号 |
10877259
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
本山 覚 神戸大学, 医学部, 助教授 (80283878)
|
研究分担者 |
丸尾 猛 神戸大学, 医学部, 教授 (60135811)
具 英成 神戸大学, 医学部, 助教授 (40195615)
竹内 恥 神戸大学, 医学部, 助手 (60252772)
|
キーワード | 子宮頚癌 / 動脈内化学療法 / シスプラチン / 高用量化学療法 / 吸着療法 / 術前化学療法 / ダウンステージ |
研究概要 |
平成10年度は主として骨盤灌流化学療法システム施行上の技術的検討と高用量抗癌剤薬理動態を子宮頚癌IIIb期を対象にを施行し、特にシスプラチンの投与量と病期のダウンステージの関係を検討したデーターの蓄積を主とした。 平成11年は研究対象を子宮頚癌IVa期に拡大し現在まで5例に対して本法を行い。 従来に見ない病期 のダウンステージ効果により、排尿機能温存したままの根治的治療様式を開発し、 以下のごとく平成11年4月、日本産婦人科学会 平成11年10月、日本癌治療学会で成果を発表した。 膀胱浸潤を伴う子宮頚癌に対し高用量骨盤灌流化学療法を行い、頚部病巣とともに膀胱病巣にも奏功を認め、その後の標準治療が遂行し得た。骨盤灌流化学療法は既報の如く、病巣灌流血中の高濃度抗癌剤を体外循環回路内の活性炭によりその90%を吸着する高用量化学療法支持システムである。MRI、病理診断にて膀胱浸潤を確認したIVa期子宮頚癌5例に対し、内腸骨動脈造影にて膀胱動脈枝を確認後、上・下殿動脈塞栓下に、子宮動脈より、CDDP(200-350mg)、PEP(10-25mg)、MMC(20-40mg)、5-FU(500-2000mg)を2週間隔で2回動脈内投与した。本法施行後、全例に膀胱病変の消失が病理学的に確認された。Ib期相当にダウンステージした4例では子宮頚癌根治術が施行され、IIIb期相当にダウンステージした1例は標準的放射線療法を施行した。現在、追跡期間は8〜28ヶ月、膀胱病変の無病期間は9〜29ヶ月で、全例生存中である。本法による高用量動注化学療法は膀胱浸潤を認めるIVa期子宮頚癌に対する集学的治療のStrategyとして有用である。
|