研究課題/領域番号 |
10877264
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
永田 博史 千葉大学, 医学部・附属病院, 講師 (20237530)
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研究分担者 |
本杉 英昭 千葉大学, 医学部, 助手 (30292676)
白澤 浩 千葉大学, 医学部, 教授 (00216194)
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キーワード | マウス / アデノウィルスベクター / 遺伝子治療 / 経鼻感染 / サイトカイン遺伝子 |
研究概要 |
本研究は、遺伝子治療の基礎的実験として、マウスをもちいて種々のサイトカイン遺伝子を組み込んだアデノウィルスベクターを経鼻的に感染させ、生体内とくに鼻腔にこれら外来遺伝子を導入・発現させることを目的とした。平成11年度は、β-galをコードしているLacZ遺伝子を組み込んだアデノウィルスベクター(AdexlCAlacZ)をもちいて、種々の条件下に6週令のBALB/cマウスに点鼻投与し、遺伝子の導入・発現のための至適条件をもたらす投与方法を求める感染実験をおこなった。力価1X10^9PFUのAdexlCAlacZを10μl右鼻腔内に滴下し、鼻中隔粘膜をβ-galの基質であるX-galで染色したところ散在性に青色の発色をみとめ、鼻粘膜におけるLacZ遺伝子の導入および発現が確認できた。組織学的には、嗅部および呼吸部の上皮細胞および嗅神経に発現の分布が認められたが、嗅上皮の方が呼吸上皮よりも優位に発現していた。ベクターの量を5倍まで増加させたが、遺伝子の発現に有意の差は認められなかったため、より効率の高い投与方法を検討・評価中である。一方、サイトカイン遺伝子については、平成10年度に確立した遺伝子の組換え技術を基礎として、インターロイキン(IL)-6、IL-4、IL-12、IL-13、ガンマ・インターフェロンの各遺伝子を組み込んだアデノウィルスベクターの準備を完了した。したがって、ベクターの投与方法の至適条件が決定され次第、すぐにこれらのサイトカイン遺伝子の生体への遺伝子導入実験を開始できる状態に到達した。
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