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1999 年度 実績報告書

いわゆる「血管条性難聴」の検出法の確立―ヒト聴神経腫瘍耳のEP測定から―

研究課題

研究課題/領域番号 10877266
研究機関長崎大学

研究代表者

小林 俊光  長崎大学, 医学部, 教授 (80133958)

研究分担者 神田 幸彦  長崎大学, 医学部・附属病院, 助手 (20264244)
中尾 善亮  長崎大学, 医学部・附属病院, 講師 (40188884)
重野 浩一郎  長崎大学, 医学部, 助教授 (10162588)
キーワードEP / 聴神経腫瘍 / 血管条 / 難聴 / 突発性難聴
研究概要

聴神経腫瘍の術中にインフォームドコンセントを得て、術側の蝸牛に岬角経由に電極を刺入して蝸牛内リンパ電位(endoochlear potential:EP)の記録を行ってきた。今年度にも新たに3例で電位の測定を施行した。これまでの測定は14耳に達したが、その結果を解析したところ1例を除き、EPのみで聴神経腫瘍の聴力低下を説明できる症例はなかった。このことから、聴神経腫瘍における難聴の主要なる成因は、血管条障害や血流低下ではなく、腫瘍による聴神経自体の圧迫などの障害と結論された。これらの成果を平成11年6月にローマで行われた国際聴神経腫瘍会議の基礎部門のパネルで発表した。しかし、例外的な1例ではEPが約20mVであり、難聴が60dBほどあり、この症例では血管条の機能不全によって聴神経腫瘍の難聴を説明できる可能性があった。このような症例の数は少ないがやはり、腫瘍による血管圧迫説も少数例では当てはまるケースがあるものといえる。
血管条性難聴の解明の目的で、新たなプロジェクトとしてに、突発性難聴における聴力回復と前後の蝸電図の測定を開始している。突発性難聴のうち、聴力が回復する例は血管条の障害がもっとも想定しやすいからである。これらの症例でもし、CMが減少していれば、回復する突発性難聴の原因としては血管条障害可能性がきわめて高くなる。現在、急性期突発性難聴のうち、発症7日以内で70dB以上の難聴がある症例について検討を行っている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] T.Kobayashi,M.Sanna,et al.: "Pathogenesis of hearing loss in vestibular schwannomas as studied by measurement of EP"Proceeding 4th International Conference on Acoustic Neuromas. (印刷中). (2000)

  • [文献書誌] F.Tanaka,T.Kobayashi,et al.: "Electrocochleographic evaluation of hearing loss in acoustic neuromas."Am J Otology. 20. 479-483 (1999)

  • [文献書誌] K.Hirano,K.Ikeda,T.Kobayashi,et al.: "Prognosis of sudden deafness with special reference to risk factors of micro vascular pathology"Auris Nasus Larynx. 26. 111-115 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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