研究概要 |
1) ヒト皮膚悪性黒色腫の手術検体におけるゲルソリンの発現を,抗ヒト・ゲルソリンモノクロナール抗体を用いたウエスタンブロット法,あるいは免疫沈降法を用い,質量の異なる異型ゲルソリンの発現を例数を増やして解析した。結果、20例中17例で、異型ゲルソリンの発現を認めた。 2) 黒色腫組織から抽出した蛋白質より,免疫沈降法を用いて,異型ゲルソリンを免疫複合体として沈殿させ回収した。これを電気泳動し,PVDF膜上に転写して異型ゲルソリンのバンドを切り出し,脱塩,ピリジルエチル化,N末端de-blockingを行なった後,アミノ酸シークエンサーを用いて,一次構造の一部を決定した。現在のところ部分的な配列のみ判明しているため,その配列を参考にプローベを作成し,黒色腫組織より得られたRNAを用いてRT-PCRを行ない,DNAシークエンサーを用いて異型ゲルソリンをコードするcDNAを探索中である。 3) 悪性黒色腫の予後と強い相関を示す腫瘍の厚さや,垂直方向の腫瘍浸潤と,異型ゲルソリンは相関が認められた。
|