ヒト歯胚完全長cDNAライブラリーの構築 SMART法(Biotechniques 26:542-8)の原理に従い、DNase処理したヒト鐘状期歯胚poly-A RNAを鋳型としセンス/アンチセンス両鎖の5'-末端にアンカー配列を付加したcDNAライブラリーを構築した。但し、原法ではセンス/アンチセンス両鎖の末端に共通のアンカー配列を付加するのに対し、本研究においてはセンス鎖末端にはAAGCAGTGGTAACAACGCAGAGTをアンチセンス鎖末端にはGCTGATGGCGATGAATGAACAを付加することにより、5'-RACE/3'-RACEの特異性の改善を図った。つぎに両アンカー配列をプライマーとしたPCRでds cDNAを増幅したのち、ベクターに組み込んでライブラリーを構築した。 ヒト歯胚特異的遺伝子の同定 平成11年度にSAGE法で得たtagシークエンスの陽性クローンをライブラリーよりコロニーハイブリダイゼーション法により選択しtagシークエンスと5'-アンカーあるいは3'-アンカーを用いてRACE cDNA cloneを増幅し、ベクターにサブクローニングしたのち配列を決定した。 これまで、3つのクローンの遺伝子配列を決定したがホロモジー検索の結果、いづれもイントロンを含む既知のゲノム配列に一致していた。この結果はDNase処理したpoly-A RNAをcDNAの鋳型とした事実と矛盾するためその原因を追求している。
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