研究課題/領域番号 |
10877319
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
吉田 廣 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (80014330)
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研究分担者 |
鬼澤 浩司郎 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (60194578)
石井 哲郎 筑波大学, 基礎医学系, 助教授 (20111370)
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キーワード | heme oxygenase / peroxiredoxin / immunohistochemistry / squamous cell carcinoma |
研究概要 |
今回、われわれは、まず酸化ストレス誘導性タンパクとして、各種ストレスで応答の確認されているヘムオキシゲナーゼ1(HO-1)をマーカーのタンパクとして選択し、実験をおこなった。抗HO-1ウサギポリクローナル抗体をもちい免疫染色で口腔癌におけるストレスタンパクと口腔癌の関連をみた。口腔の扁平上皮癌38例(舌癌13例、歯肉癌12例、上顎洞癌5例、ほか頬粘膜、口底、咽頭、口唇)の生検材料をもちいLsAB法にて免疫染色を施し、その発現をGrade0(腫瘍組織中0%染色)Gradel(腫瘍組織中0-25%染色)Grade2(腫瘍組織中25-50%染色)Grade3(腫瘍組織中50%以上染色)の4段階で評価し、口腔癌におけるHO-1半定量をおこなった。 HO-1の発現にたいし上記半定量したものをHO-1低発現グループとHO-1高発現グループに分類し、TNM分類、分化度等との関連を分析し、カイ2乗検定で統計処理をおこなったところ、HO-1高発現グループには有意に高分化型の組織型の腫瘍を含み、また、HO-1高発現グループは所属リンパ節転移のない原発巣をもつグループを有意に多く含んでいることをみいだした。これらにより、HO-1は口腔の所属リンパ節と分化度に関連があるマーカーになりうることを示した。 いっぽう、他の酸化ストレス誘導性タンパクにおいては、MSP23(Peroxiredoxin I型:Prx I)についても、同様に免疫染色をおこない、腫瘍の大きさ、リンパ節転移などとの関連性の示唆を見いだした。
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