今回レーザースキャン法を用いた顔面の形状計測法を新たに開発した。この計測装置により顔面の複雑な表面形状を高速に計測することが可能となった。まず、顔面計測における本装置の精度に関して、接触型高精度三次元座標測定装置を用いて顔面の石膏模型を計測したデータと、本装置を用いて同じ石膏模型を計測したデータとを重ね合わせ、比較検討した。その結果、鼻翼基部周囲のアンダーカットが存在する部分には本装置でのデータは膨張する傾向があったが、それ以外の部分は概ね臨床応用上問題のない範囲内であった。次に、本装置から得られた顔面表面データから、計測に必要な特徴点を自動に抽出するプログラムを開発した。このルゴリズムは、以前接触型計測システムを開発する際に考案したものを改良し、今回新たにカラー情報から出可能な特徴点を設定し、赤唇周囲の特徴点を抽出することを考案した。次に、口腔内(口蓋)のデータを手する方法として、鏡を用いた方法を考案した。われわれが以前開発した自動重ね合わせ法を用いて、閉口の顔面データと鏡挿入時のデータを重ね合わせ、閉口時の顔面データに鏡による口蓋のデータを統合させることに成功した。これにより顔面に対する口蓋(上顎)の三次元的位置を観察することが可能となった。
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