研究概要 |
羊を用いて顎関節強直症モデルの作製を目指し、本年度は下記の結果を得ている. 1. レントゲンによる強直症の程度判定 強直症を惹起した羊顎関節を摘出し、レントゲン撮影を前後方向と側方方向で行い、下顎頭と側頭骨についてそれぞれ、shape,er osion,scler osis,Marrow,calcificationについてその程度を0〜4の4段階に分け評価した.その結果、強直症惹起後4週では平均点は9.8であり、12週では36.0であり有意な上昇を認めた. 2.病理組織標本による強直症の程度判定 一塊に摘出した顎関節を脱灰し、前後方向並びに側方方向に9ブロックに分け、次に項目に従い評価した.Ankylosis scaleとして、その程度をscore0:0%,score1:1-25%,score2:26-50%,score3:51-75%,score4:76-99%,score5:100% に分けた.また、calcification scaleとして、その程度をscore0:0%,score1:1-25%,score2:26-50%,score3:51-75%,score4:76-99%,score5:100%に分けた.その結果、Ankylosis scaleは強直症惹起後4週ではscore2〜5の範囲であったが、12週ではすべてscore5であった.また、calcification scaleは強直症惹起後4週ではscore0〜2の範囲であったが、12週ではすべてscore1〜3に上昇していた. 以上の結果より、我々の予想通りに羊にて顎関節強直症モデルが作製できていることがレントゲン診査および脱灰後病理組織学検査により明らかとなった.
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