研究課題/領域番号 |
10877345
|
研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
横田 誠 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (40107298)
|
研究分担者 |
内藤 徹 九州歯科大学, 歯学部, 助手 (10244782)
日高 理智 九州歯科大学, 歯学部, 助手 (80118091)
|
キーワード | 歯周炎 / 実験的歯周炎 / 歯牙移動 / 歯周靭帯 / レーザー変位計 / レーザー血流計 |
研究概要 |
ビーグル犬4頭を用い、前年度と同様、下顎第三前臼歯部にデンタルフロス結紮による実験的歯周炎を惹起させた。その歯の病的移動量の測定は、Keyence社製レーザー変位計測定システムを用い、5gおよび10gの静的・垂直的荷重負荷による歯の垂直的移動量を歯周炎惹起時0日と歯周炎惹起後1日、3日、6日に計測した。その結果、(1)前年度と同様、荷重直後の速い沈下とその後のゆっくりとした2相の沈下様式が観察された、(2)荷重負荷直後の速い沈下を示す相の移動距離は、歯周組織の健全な状態である0日では負荷5gで平均5.5μm(SD:3.7)、10gで平均10.0μm(SD:7.9)を示し、負荷が2倍になると、変位も2倍になる傾向を示した、(3)炎症惹起直後の1日では、負荷5gで平均34.3μm(SD:13.9)、10gで平均48.3μm(SD:51.9)を示し、顕著な移動量を示した。3日目では、負荷5gで平均20.8μm(SD:16.7)、10gで平均18.5μm(SD:10.0)を示し、0日の2倍程度の変位を示したが、1日目の約1/2程度の変位に留まった。6日目では、負荷5gで平均26.8μm(SD:14.3)、10gで平均22.8μm(SD:10.5)を示し、3日目より変位量が増加傾向を示した。このことは、1日目は急性炎症を反映し、3日目からは慢性炎症を反映した変位動態を示していると考えられた。今後例数を増やして、統計学的検証を行い、臨床診断への応用を考慮した基礎データを蓄積する必要がある。 血流量の測定は、アドバンス社製レーザー血流計(ALF21)を用い、1x2mmの検出部プローブを実験歯の頬側辺縁歯肉の中央部に設置して計測した。その結果、20-40±5ml/min/100gの範囲で血流量が測定されたが、荷重負荷による変動は判定できなかった。現有の装置は1chのみの計測しか行えなかったが、荷重無負荷の部位のコントロール血流量の比較が同時に計測できる2chの装置を用いることにより、血流変動を識別できる可能性が考えられた。
|