研究課題/領域番号 |
10877363
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研究機関 | 富山医科薬科大学 |
研究代表者 |
高野 克彦 富山医科薬科大学, 薬学部, 教務職員 (50293303)
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研究分担者 |
柴田 太 富山医科薬科大学, 薬学部, 助手 (90231357)
中川 秀夫 富山医科薬科大学, 薬学部, 教授 (00012617)
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キーワード | 炎症 / 増殖因子 / 線維芽細胞 / MRP-14 / ケミカルメディエーター |
研究概要 |
Rat migration inhibitory factor-related protein 14 (MRP-14)が慢性炎症におけるケミカルメディエーターであることを明らかにするために、以下のような実験を行った。 1. Rat MRP-14組換え体の作製: LPSで刺激したラット腹腔マクロファージtotal RNAより、すでに報告されているrat MRP-14の塩基配列をもとに作製したプライマーを用いて、RT-PCRによりrat MRP-14 cDNAを増幅・クローニングした。GST-MRP-14融合タンパクとして発現するようrat MRP-14 cDNAを組み込んだタンパク発現ベクターを有する大腸菌より、Glutathione affinity カラムにより融合タンパクを粗精製後、Thrombinにより融合タンパクを切断し、イオン交換カラムによりrat MRP-14を精製した。 2. 抗rat MRP-14抗血清の作製 : Rat MRP-14 C末端側10残基の合成ペプチドを、抗原性を高める目的からKLHと結合させ、これを抗原としてウサギに感作して、抗 ratMRP-14抗血清を回収した。抗血清より分離した抗rat MRP-14抗体は、rat MRP-14に対するウェスタンブロットに使用することが可能であった。また、今後この抗血清を用いて、rat MRP-14に特異的なELISA系を確立し、慢性炎症において、rat MRP-14が多量に存在することを示す。一方、in vitro・in vivo 実験系に抗体を添加し、線維芽細胞の増殖が抑制されることを示す。 3. nativeなrat MRP-14の精製 : 作製した組換えrat MRP-14の生物活性を測定するにあたり、対照として必須であるnativeなrat MRP-14の精製を試みた。精製は、回収した好中球を、超音波処理により破砕後、超遠心分離により、上清を回収した。回収した上清を、イオン交換カラム、ゲル濾過、逆相HPLCの各ステップにより精製を試みた。なお、本実験は、平成11年度においても継続する。
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