1.診療マニュアルの追加検索・選別・購入 今年度になって新たに国内で市販された診療マニュアルを、冊子体目録、CD-ROM 体目録、書籍検索データベース(インターネット)等を利用して幅広く検索し、リストを作製した。また、国際的に(日本を含む)広く利用されている英文の診療マニュアルについても同様に検索しリストを作製した。検索した中から、研究対象として、17冊の診療マニュアルを新たに選出し購入した。選出に当たっては、特に多くの臨床現場で利用される可能性の高い、プライマリ・ケアや卒業直後の臨床研修に関するものを中心にした。 2.質的研究手法の検討と啓蒙活動 研究手法の妥当性を高めるために必要な、社会科学的手法である質的研究手法に関する資料として、単行本「Qualitative Research in Health Care」が有用であると考え、その全文の翻訳作業を行うと共に、関連資料の収集と検討を行った。この翻訳は、日本における質的研究の啓蒙活動に有用であると判断し、出版元であるBritish Medical Journal Publications社ならびに国内最大手の医学書出版社である医学書院と交渉し、日本語訳の版権を離保すると共に、週間医学界新聞紙上で同翻訳の連載を開始した。また、新版が出版されたため、その日本語訳を単行本として出版する方向で関係者との協議や翻訳作業手順の検討を開始した。 3.KJ法による評価項目の抽出 KJ法により、各種診療マニュアルを評価する際の評価項目となる基本的な要素を抽出した。この作業を元に、更に数回のKJ法を行うための準備を進めた。 4.評価基準作成に必要な研究協力者の選出と依頼 昨年度に協力を依頼した、臨床医学教育に直接携わっている臨床指導医10名と、研究作業に関する打ち合わせを繰り返し行った。
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