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2000 年度 実績報告書

ヒト血漿リポ蛋白ならびに赤血球の氷温保存法の臨床的応用

研究課題

研究課題/領域番号 10877394
研究機関鳥取大学

研究代表者

猪川 嗣朗  鳥取大学, 医学部, 教授 (70032183)

研究分担者 大野 耕策  鳥取大学, 医学部, 教授 (70112109)
井上 貴夫  鳥取大学, 医学部, 教授 (20116312)
下村 登規夫  鳥取大学, 医学部, 助教授 (00216136)
西川 健一  鳥取大学, 医学部・附属病院, 講師 (90144675)
キーワード氷温保存 / 氷結点 / 低温肝細胞培養 / 低温培養細胞接着率
研究概要

氷温技術は添加物を必要としない上温度管理のみで農水産物の食品の鮮度を保ちながら長期保存、熟成、緩徐な発酵に極めて有効である。従ってヒト血清、血漿など比較的安定した生体試料の保存には氷温技術はかなり有効であるが、リパーゼやリポ蛋白等低温にも強い酵素や保存により重力の影響のでる試料では有効とは言えず、一般に-80℃における凍結・溶解を繰り返して測定結果に影響を与える試料の他は保存効能に大差を認めない。
この他氷温技術の臨床的応用は臓器移植、再生医学への応用である。これ迄の私共の得た研究成果から判断して、低温による生体代謝の抑制や低温に対する生体防御による応用に加え、生体試料の臓器保存、再生医学への応用であり、生体試料の再生能力が要求される。これ迄の氷温技術のこの分野への応用は極めて少数例を除いて充分とは言い難い。氷温の生物学的メカニズムは、温度に依存する遺伝子の働きや温度と酵素反応の関係にさかのぼって科学的に解明する必要があることが明らかとなった。
本年は温度と生物反応を明らかにするため培養肝細胞の動態を重点的に検討した。従来の氷温庫ではCO_2細胞培養装置がなく低温での同一条件による培養状態を検討することができなかったがこの装置を組み込んだ氷温庫を作成し実験した。その結果(1)37℃では4時間以降培養肝細胞の培養率が70%に対し氷温では6時間以降でも10〜20%であった。(2)フィブロネクチン量は氷温では低値を示した。(3)氷温下での細胞接着にはインスリン、デキサメサゾン及びグルカゴンが必要で成長ホルモンは抑制効果を示した。(4)膜酵素活性は培養日数を経るにつれて回復した。(5)低温により細胞増殖は抑制され、常温で亢進した。現在この実験系を用いて温度とmRNA発現量との関係を検討中であり温度と遺伝子発現・酵素発現・生物反応・生物反応の関係をより明らかにする予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 山崎香織: "Ultrastructural Changes in the Rat Corneal Endothelium Preserved at Low Temperature (低温保存したラット角膜内皮細胞における微細胞構造の変化)"Yonago Acta medica. 44(1). 17-24 (2001)

  • [文献書誌] 武良哲雄: "肝細胞のコラーゲン・ゲル培養法"2001/シンポジウム抄録集 いきいき細胞をつくるコラーゲンの秘密. 5 (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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