研究概要 |
Twin-talk現象の発生による言語発達の遅れを予防する目的で、発生機序の解明とファミリーケアの介入方法の検討を試みた。調査対象は双生児が2歳から10歳になる母親2,733名をツインマザースクラブ会員より選出し、自記式郵送質問紙調査を実施した。回答を得た1428名の調査結果を多面的に検討した。1428組の双生児のうち627組(43.9%)において、双子独自の言語の発生現象がみられた。このような独自言葉が最も盛んになる時期は平均27.8ヵ月であり、2人で遊んでいる時に特に顕著に発生した。家族環境要因との関連については、双子に年長の兄弟がいないこと、祖父母が同居していないこと、一卵性双生児であること、児が低出生体重児であること、妊娠中毒症があったこと、などが独自言葉の発生との間に有意な関連がみられた。これら要因を有するハイリスク・グループへの保健指導により予防的効果が期待できることが推定された。
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