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1999 年度 実績報告書

痴呆症高齢者における"回想"と感情表出に着目した快適な環境設定のための研究:家族リハビリテーションの視点から

研究課題

研究課題/領域番号 10877402
研究機関千葉大学

研究代表者

吉本 照子  千葉大学, 看護学部, 助教授 (40294988)

研究分担者 鬼村 和子  九州大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (70185627)
田中 悟郎  長崎大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (00253691)
太田 保之  長崎大学, 医療技術短期大学部, 教授 (50108304)
佐瀬 真粧美  千葉大学, 看護学部, 助手 (10225906)
齋藤 やよい  千葉大学, 看護学部, 助教授 (40242200)
キーワード高次脳機能障害 / 認知リハビリテーション / 痴呆性高齢者 / 感情表出 / 生活環境調整
研究概要

本研究は、痴呆性高齢者と家族のコミュニケーションを改善する要因を明らかにすることにより、新たな生活環境調整技術の開発をめざす。平成11年度は、痴呆性高齢者に対する認知リハビリテーションが家族とのコミュニケーションの改善、あるいは家族の再組織化を促進するか否かを検討した。
外傷性脳損傷(Traumatic Brain Injury,以下TBI)患者とその主たる家族介護者3組を対象として訪問面接調査を行った。TBIは交通事故や転倒によリ脳に衝撃が加わった結果、記憶障害、注意力低下、情緒障害、行動異常等の長期にわたる高次脳機能障害をもたらし、コミュニケーション悪化等により家族に多大なストレスと生活への影響を与える。痴呆性高齢者の家族の受容過程との類似点が多く、方法論を検討するために妥当と考えたためである。
調査対象3名(男性、56,64,66歳)は受傷後2年以上経過し、ADLはほぼ自立していたが何らかの記憶障害やコミュニケーションの悪化を示していた。TBI患者は認知機能障害の自覚が少ないと言われるが、調査結果では共通して記憶障害のつらさを訴え、家族がそうした患者のつらさにはじめて気づいていた。そうした感情面での理解困難さはTBI患者の認知、感情、行動の相互関連性をもたらすと考えられた。患者は医療者が勧めたリハビリテーションには関心を示さず、家族や友人が趣味の再開や開始のきっかけをつくり、認知リハビリテーションに結びつけていた。趣味の再開や開始に先立ち、あるいは平行してTBI患者が家事分担の意向を示す等の家庭内役割の変化がみられた。認知リハビリテーションは認知機能の改善をもたらすというよりも、少なくともコミュ二ケーションの改善や家族の再組織化を促すと考えられた。

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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