研究課題/領域番号 |
10877410
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 喜根子 東北大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (90261536)
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研究分担者 |
佐藤 祥子 東北大学, 医療技術短期大学部, 助手 (50271961)
堀川 悦夫 東北大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (10155004)
高林 俊文 東北大学, 医療技術短期大学部, 教授 (30124598)
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キーワード | 妊婦・褥婦 / 運転 / 記憶力 / 視力 / 反応速度 / 児心音 / 胎動 |
研究概要 |
初年度は主に、妊婦の運転の実態と意識を調査した。その結果をもとに、今年度は多くの妊婦が感じる「運転中の不安」が、どこから生じるのかを具体的に知るために、生理学的な変化としての記憶力や視力、運転の適性試験としての反応時間の測定を実施した。対象者は説明した主旨に賛同の得られた54名を経時的に実施した。 記憶力は3桁から9桁の数字の反復測定、視力は標準視力測定器(視標背景輝度500±150ルクス)を用いた。また反応時間はリアクションBGを用いた。 その結果、記憶力は妊娠末期に低下し(正答率71.5%)、産褥期は速やかに上昇する傾向がみられた。(正答率1日目:80.6%・5日目:84.7%)。しかし視力は特に有意な差は見られなかった。 また、反応時間は妊娠末期に比べ、産褥期に延長した者が産褥1日目に56%、産褥5日目に31%、産褥一ヶ月目では56%であり、産褥5日目に一時的に短縮したが、産褥1日目と一ヶ月目に反応時間の延長がみられ、反射能力に若干低下の傾向が示唆された。 一方前述の検査と平行して、我々の主旨に賛同の得られた妊婦12名(31〜38週)に、実際に運転中の母体血圧と脈拍、胎児心拍数および子宮収縮を調べた。(平均の運動時間は38分であった。) その結果、血圧は運転開始直後に収縮期が16.8mmHg、拡張期が4.2mmHgの上昇がみられた。また、心拍数は7.7回/分増加し、血圧と心拍数は2〜17分の間に徐々に落ち着いた。 また胎児心拍数の基線は、運転直後に平均して10〜20bpmの上昇がみられ、同時に運転中に胎動の周期性が認められた。この周期性は何を意味するのかを検索することが、今後の課題である。
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