研究課題/領域番号 |
10877412
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山地 建二 大阪大学, 医学部, 教授 (20028658)
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研究分担者 |
中嶋 有加里 大阪大学, 医学部, 助手 (40252704)
大森 正昭 大阪大学, 人間科学部, 教授 (20027965)
村田 雄二 大阪大学, 医学部, 教授 (40283759)
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キーワード | 妊婦 / 自動車運転 / 分娩監視装置 / 子宮収縮 / 胎児心拍数図 |
研究概要 |
妊娠中の自動車運転が子宮収縮、胎児心拍、胎動、母体循環系に及ぼす影響を明らかにするために、町立内海病院(香川県小豆郡)において妊娠・分娩を管理した妊婦を対象として以下の研究をおこなった。 1. 携帯用分娩監視装置によって、自動車運転前、運転中、運転後の子宮収縮、胎児心拍、胎動の連続モニタリング 2. 自動血圧計によって、自動車運転前、自動車運転後の母体血圧及び心拍数 以上により、得られた結果は次の通りである。 1. 子宮収縮に対する影響 (1) 子宮筋活動が亢進した状態では自動車運転によってさらに子宮筋活動がアクチベートされる。 (2) 子宮筋活動が静穏な状態では自動車運転は全く子宮筋活動に影響を及ぼさない。 2. 胎児心拍動に対する影響 (1) 胎児心拍数基線は生理的変動範囲内で、自動車運転による影響は全く認められない。 (2) 胎児心拍数基線細変動及び一過性頻脈に対する影響は全く認められない。 (3) 子宮収縮に伴う一過性徐脈は全く認められない。 3. 母体循環系に対する影響 母体のカジュアルな血圧及び脈拍は一過性の生理的変動を示す事例も認められるが、血圧の変動と子宮収縮、脈拍数の変動と子宮収縮、血圧の変動と脈拍数の変動の間には関連性が認められない。 現在までのところ、自動車運転中のモニタリング事例は20例である.次年度はモニタリング事例の集積をはかるとともに、妊娠中の安全運転について質問紙調査を実施し、これらの結果を綜合して保健指導案を作成する計画である。
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