研究概要 |
長崎県の歯科保健に関するデータベースを作成する目的で平成5年度から平成7年度に長崎県で実施された歯科検診データを入力分析した。対象者は県内各保健所ごとに選定された3地区から長崎県総世帯数に対する農業世帯、漁業世帯、商業世帯の割合に応じて選ばれた計16地区の住民2201名であった。質問紙法による調査も同時に実施され,その対象者は2566名であった。長崎県の永久歯現在歯数は一人平均18.6本であり,平成5年度全国値より約2本少なかった。離島地区40歳以降現在歯数が少ない傾向が認めらた。5〜9歳におけるCaries Freeの割合は長崎44.3%で全国値より約20%低かった。また長崎の35〜40歳代の未処置歯者率は全国値より高かった。離島地域で喪失歯数が高い傾向が認めらた。55歳以上の全部床義歯装着者の割合は長崎県が全国より高い。 就学前小児に関するアンケート結果:昼間の養育者は保母>母>祖父母の順であった。毎日磨く者の割合は37.3%,磨かない者は22.5%。磨く時期は就寝前が67.5%で最も多かった。1日の間食回数は2回>1回>3回の順であった。間食の規則性がない者は57.4%と依然高い。う蝕予防で気をつけること=は「歯磨き」「歯磨きと甘味制限」「歯磨きと定期健診」の順でフッ化物の応用を挙げている者は少数であった。成人に対するアンケート結果:歯周疾患健診経験者は25%。齲蝕・歯周疾患治療について歯科医から十分な説明を受けなかったと答えた者が約半数いた。治療以外に予防や相談などを希望する者は44%いた。歯科治療・保健指導に対する要望は「診療日数や待ち時間の短縮」「保健指導」「歯周疾患の予防」が多かった。8020運動を知っている者は約3割存在した。
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