研究概要 |
本年度は討論における認知的・情意的過程に関する基礎的研究を行うとともに,小学生を対象にした討論学習の教材を開発した.具体的には,以下のような実績としてまとめられる. (1)討論の動機・目的観に関する尺度の作成:大学生を対象にして,「何のために討論をするのか」という動機・目的観に関する項目を収集し,項目分析を経て整備し,尺度構成を行った. (2)対面討論と電子討論の比較:(1)で作成した尺度を利用して,対面討論と電子ネットワーク上での討論の差異を調査し,さらにそれぞれの場面における発言を妨げる要因についての調査を合わせて実施し,分析した. (3)討論評価の実験:市販の書籍にあるディベート討論記録を素材に,他者の討論を評価する実験を行った.被験者は大学生および大学院生であり,どのような点を説得的もしくは問題と感じるか,討論の生産性をどのように評価するか等を整理した. (4)小学生向けの討論教材:新聞の投書における相対立する意見を想定して素材にし,説得的な意見を展開するにはどうすればよいかという国語科教材を作成した.これを改変したものが実際に光村図書の平成14年度版国語科教科書に掲載されることとなった.
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