研究課題/領域番号 |
10878076
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
代谷 誠治 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (80027474)
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研究分担者 |
瓜谷 章 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10213521)
山根 義宏 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60115649)
宇根崎 博信 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (40213467)
三澤 毅 京都大学, 原子炉実験所, 助教授 (70219616)
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キーワード | 炉雑音測定 / 原子炉動特性 / 空間動特性 / 位置時間同時測定 / 位置検出型比例計数管 / 京都大学臨界集合体実験装置 / 高次モード |
研究概要 |
原子炉の動特性を調べるためには、中性子束の空間的及び時間的変化を測定することが重要であるが、これまでの動特性パラメータ測定に用いられてきた炉雑音測定手法では、この中性子束の空間的変化に関する正確な情報は得ることは困難であった。一方、近年、位置検出型中性子検出器の開発が進み、中性子検出の位置と時間情報とを同時に測定することが可能となってきた。本年度はこの位置検出型比例計数管を用いた測定システムの開発とそれを用いた基礎実験を行うとともに、高次モードを考慮した炉雑音測定法の理論の検討と実験データの解析を行った。 まず、本測定を行うため、測定データをパーソナルコンピューターのメモリーに直接書き込む新しい方法を用いた測定システム(測定回路系、データ処理系、制御プログラム)の開発を行った。これにより、複数の検出器を用いた場合でも1μsec以下という高い時間精度で長時間にわたる炉雑音測定が可能となった。この測定システムと位置検出型比例計数管を組み合わせた炉雑音測定実験を、京都大学原子炉実験所の臨界集合体実験装置(KUCA)の固体減速架台で行った。実験の結果、新たに開発した測定システムが本研究を行なう上で十分な性能を有していることが確かめられた。さらに、中性子を検出した時刻と空間高次モードの重ね合わせで表現される測定位置とを同時に考慮した炉雑音測定法の理論式の導出を行い、上記の実験データの予備的な解析を行った結果、この理論が実験結果を定量的に説明できることが判った。
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