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1999 年度 実績報告書

本門寺苔細胞壁の銅蓄積機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 10878085
研究機関宇都宮大学

研究代表者

深見 元弘  宇都宮大学, 農学部, 教授 (50114624)

研究分担者 阿部 善作  宇都宮大学, 農学部, 教授 (30091383)
キーワード本門寺苔 / 銅 / 細胞壁
研究概要

1)栃木県及び近県の本門寺苔の分布調査
栃木県内の本門寺苔分布地として日光と足尾が確認されている。昨年度に益子町、湯津上村、矢板市に新たな生息地を発見し、今年度は塩谷町に新たな生息地を発見した。
2)本門寺苔の銅および他重金属蓄積量
東日本(関東〜東北)に分布する本門寺苔中の重金属濃度を測定したところ、銅以外に鉄、亜鉛、マンガン、鉛などの蓄積が見られた。採取場所の違いによるこれら重金属元素の蓄積量の相対標準偏差は、銅で25.5%、鉄で108.5%、亜鉛で61.5%、マンガンで64.9%であった。これらの数値に見られるように、各重金属の蓄積量は採取場所によってかなり異なっており、環境中の各元素濃度を反映していると考えられ、環境指標植物となりうる可能性を示している。
3)細胞壁中の銅の化学的性質
植物の細胞壁調整法を参考に、本門寺苔細胞壁を調整した。細胞壁と胴との結合に知見を得るため、異なる濃度に調整した塩酸による連続抽出を試みたところ、0.1、0.01、0.001規定画分に銅の溶出を認めた。従って、結合性は一様ではなく数種類の結合様式があることを示唆している。
4)細胞壁の糖組成
細胞壁を構成する糖組成の一部を分析したところ、アミノ糖の存在が確認された。N-アセチルグルコサミンが大部分を占めていた。下等植物にはキチンの存在が知られており、アミノ糖は銅との結合性が強いことから、本門寺苔細胞壁の銅蓄積機能の中で重要な働きをしていると考えられる。

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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