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2000 年度 実績報告書

糸状体ラン藻の重金属耐性機構の解明と有害重金属固定除去に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 10878087
研究機関岡山大学

研究代表者

中島 進  岡山大学, 資源生物科学研究所, 助教授 (60033122)

キーワード糸状体ラン藻 / 重金属耐性 / 重金属結合タンパク質 / ゲルロ過クロマトグラフィー / イオン交換クロマトグラフィー / アミノ酸配列 / 水圏環境 / 重金属固定除去
研究概要

本研究は、糸状体ラン藻と重金属との関わり合いを研究して、重金属耐性を有するラン藻を用いて水中の有害重金属イオンを除去する技術開発を目指して基礎的研究を行うものである。すなわち糸状体ラン藻を用いて、各種重金属イオンを添加して、培養実験を行い、ラン藻に及ぼす影響を検討した。またラン藻の細胞に吸着あるいは吸収された重金属量を調べた。本年度の研究においては、重金属イオンに対して耐性を示す糸状体ラン藻を用いて、ラン藻を含む培地にカドミウムを添加して培養し、細胞を集め、超音波により細胞破砕した後、超遠心分離を行い、さらに上清を熱処理した。遠心分離後、上澄液をゲルろ過並びにイオン交換クロマトグラフィーを用いて精製を行った。カドミウムを含むフラクションを集めてSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけたところ、単一バンドになるまでに精製されていることが認められた。さらに逆相液体クロマトグラフィーを行ってアポタンパク質を得て、質量分析法により分子量を測定したところ約5,500であることが判明した。さらにアミノ酸配列を分析したところ、システインを多く含むメタロチオネインタンパク質であることが判明した。こうして糸状体ラン藻はカドミウムに暴露されると、細胞内に取り込まれたカドミウムイオンと結合するメタロチオネインを生成して、カとミウムに対する耐性を示すことが示唆された。また銅や亜鉛についても同様に検討を行い、本細胞は多量の重金属を集積することが判明した。本研究の結果から糸状体ラン藻における重金属イオンの集積・耐性機構の一端が明らかとなり、マットを作り易い糸状体ラン藻を用いて、水中の重金属を細胞に固定除去することが可能であることが判明した。

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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