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1998 年度 実績報告書

単分子解析による遺伝子転写過程のイメージング

研究課題

研究課題/領域番号 10878126
研究機関名古屋大学

研究代表者

臼倉 治郎  名古屋大学, 医学部, 助教授 (30143415)

キーワード遺伝子の転写 / 蛋白質核酸複合体 / 原子間力顕微鏡 / 低角度回転蒸着法 / 電子顕微鏡 / 構造解析 / RNAポリメラーゼ / mRNA
研究概要

本研究の目的は遺伝子とそれを認識し結合す蛋白質との複合体を直接観察することであった。そのため、原子間力顕微鏡などのいくつかの方法を用いたが、良い結果は得られず、結局これまでの低角度回転蒸着法を改良して用いることになった。それでも従来の低角度回転蒸着法をより高真空中で行うこと、および試料を冷却することによりさらに分解能を上げることができた。本研究ではプロモーターladUV5を含む600〜1000塩基対のDNAをテンプレートとし、大腸菌より精製したRNAポリメラーゼ(以後RNAP)を用いて転写過程の形態学的側面を明らかにしようとした。その結果、RNAP/DNA複合体の構造をを明瞭に観察できた。nonspeciflc複合体では多くのRNAPがDNAに付着するが、接触ではなく抱え込むように結合していることが明らかとなった。また、RNAPの結合方向がまちまちであることから、DNAとRNAPとの結合には回転方向の自由度があり、mRNA合成中にRNAPが回転しながら進行している可能性を示唆している。Open complex複合体の形態学的の大きな特徴はRNAPを頂点としてDNAが折り曲げられることであるが、よく観察すると3′側においてDNAがRNAPから出てきているところでさらに強いkinkが認められた。RNAPはβとβ′と思われる大きなサブユニット2個とαサブユニットと思われる小さな相同型のサブユニット2個が積み重なった構造として観察され、この2βと2αとの間に形成される大きなチャンネルをDNAは貫通していた。しかし、RNAPの内部でさらに蛇行しているのかどうかは表面観察からでは解らない。Elongation complexでは短くて細いmRNAがβとαとの間のチャンネルからテンプレートDNAとともに出てくるところが観察された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Seno K.: "A possible role of RGS 9 in phototransduction : A bridge between the cGMP - phosphodiesterase system and the guanylyl cyclse system." J.Biol.Chem.273. 22169-22172 (1998)

  • [文献書誌] Hirako,Y.: "Cleavage of BP, a 180kDa bullous pemphigoid antigens, yields a 120 kDa collagenous extracelluar polypeptide." J.Biol.Chem.273. 9711-9717 (1998)

  • [文献書誌] 臼倉治郎: "バイオイメージング" 共立出版(株), 266 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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