研究課題/領域番号 |
10878148
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
佐々木 和男 富山大学, 工学部, 教授 (60042826)
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研究分担者 |
塚田 章 富山大学, 工学部, 助手 (40236849)
松郷 誠一 富山大学, 工学部, 助教授 (30148126)
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キーワード | フリーラジカル / 紫外線 / 脳破壊 / フェントン試薬 |
研究概要 |
平成10年度の研究における研究実績は以下のとおりである。 光フェントン試薬(NP-III)が紫外線(366nm)に反応して、ヒドロキシラジカルを発生し、実際に神経細胞に障害を与えるのか否かを確認するために、神経細胞のモデル細胞であるPC-12細胞を用いて実験を行った。1.PC-12の培養液中にPBS(control)、1%アセトニトリル(NP-IIIの溶媒)、5、10、25及び50μHのNP-IIIを加え、30分後から30分間紫外線を照射し、その後通常の培養条件に戻し、24時間後の生存培養細胞数をトリパンブルー染色を行い、カウントした。control及びアセトニトリルを加えた場合には、紫外線照射の有無に関わらず、生存細胞数に変化はなかった。しかし、5μNのNP-III存在下では、紫外線照射を行わないときにcontrolとほぼ同程度生存した細胞が、照射時には約20%に減少した。また、10μM以上NP-III存在下では、NP-IIIそのものが培養細胞の生存に影響することが明らかになった。2.紫外線はそれ自身が細胞の生存に影響することが知られている。そこで、細胞の生存に影響しない適切な紫外線の照射時間を知るため、紫外線の照射時間と生存細胞数の関係につき調べた。controlでは紫外線を全く照射せず、紫外線照射群では5分から30分まで5分毎に照射時間を変えた。controlに比べ15分までの紫外線照射では生存細胞数に有意な変化はなかったが、20分以上では有意に生存細胞数が減少した。現在、紫外線照射時間を5分にし、NP-IIIの濃度と生存細胞数の関係につき検討中である。
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