研究課題/領域番号 |
10878153
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐藤 寿和 北海道大学, 医学部, 助手 (20292013)
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研究分担者 |
鈴木 康夫 北海道大学, 医学部, 講師 (40221329)
福島 菊郎 北海道大学, 医学部, 教授 (70091486)
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キーワード | 前庭動眼反射 / 滑動性眼球運動 / 適応学習 / 小脳虫部 / 前頭眼野 / 視線運動 |
研究概要 |
滑動性眼球運動刺激と前庭回転刺激を直行軸で与え続け、滑動性眼球運動を短時間訓練することにより、本来出現しない前庭動眼反射が出現することが本研究グループから報告されている。 今回、速度がステップ状に変化する前庭回転刺激を加えることにより、この適応性の前庭動眼反射の潜時を明らかにした。 前頭眼野から単一神経細胞記録を行い、この領域の滑動性眼球運動関連ニューロンに対し、視覚刺激と回転台刺激を組み合わせた課題を使うことでこの領域のニューロンの応答が滑動性眼球運動の眼球運動信号のみに関連するのかそれに前庭信号が加わった視線信号に対応するのかを明らかにした。 その結果、前頭眼野領域で滑動性眼球運動関連ニューロンの大部分が眼窩内ではなく、空間での視線運動情報をコードしていることが分った。 さらに、これらのニューロンのうちのあるものぱ動物がーっの視標を固視している最中にもう一つの視標をそのまわりで動かしたときにも応答を示し、この領域では視標速度もコードされていることを明らかにした。 前頭眼野領域に対し、GABA作動薬muscimolを注入して化学的に不活性化し、視覚刺激と回転台刺激を組み合わせた眼球運動課題遂行時の眼球運動を注入前と比較を行った。 その結果、滑動性眼球運動遂行時、および前庭回転刺激を加えた視線移動課題いずれにおいてもmuscimol注入前に比べ 注入後は視線速度が減少した。 さらに、これらの課題を実行中に、ごく短時間であれば視標を消している間も、動物は視線速度を維持することができるが、muscimolを注入した後ではこのとき眼球速度が著しく低下することが判明した
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