研究課題/領域番号 |
10878164
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
柵木 隆志 名古屋大学, 医学部, 助手 (30283427)
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研究分担者 |
佐藤 勝 (株)計算力学研究センター, 技術開発部, 研究員
宋 敏鎬 名古屋大学, 医学部, 医員
碓氷 章彦 名古屋大学, 医学部, 助手 (30283443)
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キーワード | 数値流体力学 / シミュレーション / 心臓外科 / 三次元 |
研究概要 |
複雑な三次元構築物で、しかも、周期的に拍動する心臓を対象とする外科手術を、数値流体力学を用いて模擬するという本萌芽的研究は、その方法としての数値流体力学の発展の汎用性に比して、臨床上、まだ端緒に着いたばかりであった。当初計画した模擬事例のなかで実際に模擬し得た事例は、代表的な心臓外科手術である大動脈冠動脈バイパス術と、これも代表的な体肺動脈短絡術との二つであった。これは今年度の実施計画を全て遂行し解析し得ているのだが、生体への工学の応用の容易ならざることを痛感させた。結果そのものは今後の臨床応用を期待させるものであり、前者では、心臓外科医の経験ではなく工学的に、吻合はなるべく鋭角的に行うことが望ましく、吻合血管との切開比は1.6であるのが至適であることが示された。後者では、吻合する人工血管径に拘わらず、狭い肺動脈を有す疾患では、可能な限り末梢側での短絡が有用であることが示された。これらの結果は各種学会で発表したが、来年度以降、これらの解析過程の経験を生かし、より臨床外科に近い模擬事例の解析を行い、臨床上の応用と対照させ、この萌芽を、先鋭的で斬新な模擬に生かしていきたいと考えている。
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