本研究は、国際調査を実施する準備として行われた企画研究である。 研究代表者は、いじめや不登校、さらには学級崩壊等の背景要因として重要な、子どものストレスやストレッサーを測定し、早期における教師からの働きかけに活用できるような「ストレス・チェック・リストの作成と、その活用法の検討を行ってきた。そして、暫定版としてのチェックリストを作り上げた。(平成7〜9年度科学研究費成果報告書『集団所属に伴う子どものストレスに関する研究』) 国際調査を企画した意図は、日本の子どものストレス状況(滝充「子どものストレスとその要因」『国立教育研究所研究集録』第36号、1998年、を参照のこと)の問題点を浮き彫りにするために、このチェックリストの国際版を作成し、他国との比較検討を加えることにより、日本の子どもを取り巻くストレス状況の特異性を明らかにしようというものである。 本年度の研究では、その準備として、オーストラリアより二人の研究者を招き、日本の中学校を訪問させるとともに、調査の課題や方向性、具体的な調査のデザイン、今後の計画の打ち合わせ、を行った。 平成11年秋には、調査票を確定し、日本とオーストラリアの双方で研究費を申請し、平成12年度に調査を実施して、比較分析を行っていく計画である。
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