研究課題/領域番号 |
10894011
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
芝井 広 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70154234)
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研究分担者 |
中川 貴雄 宇宙科学研究所, 次世代探査機センター, 助教授 (20202210)
奥田 治之 宇宙科学研究所, 宇宙圏研究系, 教授 (50025293)
松原 英雄 宇宙科学研究所, 宇宙圏研研究系, 助教授 (30219464)
太田 耕司 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50221825)
川田 光伸 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 講師 (50280558)
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キーワード | 赤外線 / 銀河 / 星間物質 / 星間塵 / 遠赤外線 / 宇宙論 / 星生成 / 銀河形成 |
研究概要 |
赤外線天文衛星、X線天文衛星など高感度の天文観測衛星では、そのセンサー部分の雑音を抑え感度やエネルギー分解能を飛躍的に向上させるために、センサー全体の極低温冷却(絶対温度2度、摂氏-271度)が常用されるようになってきた。ところがこのようなセンサー自身の性能を十分に生かすためにはプリアンプ部をできるだけセンサーに近い場所に取り付ける必要があり、このためほぼ必然的に極低温環境にプリアンプを置くことを意味する。さらに、センサーの高集積化によって多数の信号が極低温部で発生する。以上のような理由により、極低温部にプリアンプ、信号マルチプレクサ、さらにはA/D変換回路を設置することが、大型の天文観測衛星の性能を十分に引き出すために必要不可欠な要件となってきている。しかしながら、一般の電子回路は動作温度が摂氏-50度程度までに制限されており、例外的に摂氏-200度(絶対温度70度)程度で動作するものがあるものの、絶対温度2度という極低温環境で動作する電子回路は皆無に等しい。そこでMOSFETを用いて、赤外線やX線センサー用プリアンプ、マルチプレクサ、及びA/D変換器を開発するのが本研究の主目的である。 本年度は第一年度であったので、試作品の設計、製造、試験、評価を中心に行った。その結果、概ね所期の性能が達成されることが確認できた。一つの問題は、年度途中で製造プロセスが変更になり、試作品と全く同じものが製造できなくなったことである。そこで、他のプロセスで試作品と同等の極低温性能を備えたものを探す必要がある。また、試作FET自身の遠赤外線発光現象の測定を行った。一方、電源マージンの増大などのために、やや複雑なICを設計する必要があるので、試作品の静特性をパラメータフィッティングして複雑なICの設計、シミュレーションが可能となるようにした。
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