研究課題/領域番号 |
10CE2006
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研究種目 |
特別推進研究(COE)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
高橋 雅英 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40183446)
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研究分担者 |
古川 鋼一 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80211530)
祖父江 元 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20148315)
村松 喬 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00030891)
浜口 道成 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90135351)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2002
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キーワード | 神経変性疾患 / 悪性腫瘍 / RET遺伝子 / ミッドカイン / Dorfin遺伝子 / 糖脂質糖鎖 / 癌の浸潤 / トランスジェニックマウス |
研究概要 |
1.RETのチロシン1062からの細胞内シグナル伝達が神経細胞の分化にどのような影響を及ぼすかを解析する目的で、チロシン1062をフェニルアラニンに置換したノックインマウスを作成した。ホモのノックインマウスは巨大結腸症を呈し、腸管神経細胞は小腸から大腸にかけてほぼ欠損しており、チロシン1062からのシグナルが腸管神経細胞の分化に極めて重要な役割を果たしていることが明らかになった。 2.ミッドカイン(MK)シグナル受容に関与するPTPζはコンドロイチン硫酸プロテオグリカンであり、シンデカンはヘパラン硫酸プロテオグリカンである。私達はMKが結合する糖鎖構造について研究し、コンドロイチン硫酸の場合はN-アセチルガラクトサミンの4位と6位が共に硫酸化され、ヘパラン硫酸の場合はいわゆるヘパリントリ硫酸ユニットのオリゴマーが必要であった。 3.筋萎縮性側索硬化症(ALS)の脊髄前角細胞で発現が増強している遺伝子Dorfinの機能解析を行った結果、ALSの原因の1つである変異SOD1を特異的に認識して結合し、変異SOD1をユビキチン化して分解することにより、変異SOD1の毒性から神経細胞を保護している新規ユビキチンリガーゼであることを明らかにした。 4.GM2/GD2合成酵素遺伝子とGD3合成酵素遺伝子のダブルノックアウトマウスではGM3しか合成できず、大部分のガングリオシドの欠失を補正しきれなくて、より著明な神経変性を認めた。単独、KOマウスでは見られなかった早期の神経変性と突然死(12週齢以後)、皮膚炎、異常行動などが認められた。 5.ヒアルロン酸過剰分泌の細胞機能に及ぼす影響を明らかにする為に、正常細胞の3Y1にヒアルロン酸合成酵素(HAS)遺伝子を強発現し、その影響を観察した。その結果、ヒアルロン酸の過剰発現に伴い、細胞が重層化し、この変化は、Aktの阻害剤によって抑制される事から、明らかに細胞内シグナル伝達系の活性化を介するものであると言える。
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