研究課題
公開鍵暗号における鍵管理問題の解決を目指して、個人の特定が可能な生体認証情報より秘密鍵を作成する2種類の方法を提案した。第1の方式は、生体認証情報をID情報とした署名付き暗号方式(signcryption)であり、復号化ポリシ対する誤り訂正方式を利用して閾値生体認証情報b'と認証情報の距離がt以下の場合に暗号文を復号化できる。第2の方式は、fuzzy抽出器と言われるアイデアを導入し、複数の生体認証情報を用いた暗号化と認証が可能である。例えば、指紋、光彩、声紋などの複数の生体認証情報からランダムな鍵を生成することができる。第1の提案方式に対しては標準モデル(standard model)、第2の提案方式はランダムオラクル(random oracle model)において安全性証明も与えた。これらの提案方式を応用して、暗号化ポリシおよび復号化属性に幾何グラフを利用した鍵生成方式を考察した。更に、標準モデルで安全性証明が可能なIDベースsigncryption方式(Yu等09)および証明書を必要としない(certificateless)公開鍵暗号方式(Liu等09)の安全性を再考察した。これらの方式はWaterのIDベース暗号をプリミティブとして利用しているが、選択暗号攻撃に対し判別不可能(IND-CCA)ではないことを指摘した。最後に、WaterのIDベース暗号を応用して直接的にsigncryption方式を構成することは不可能であることを示した。
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http://www2.math.kyushu-u.ac.jp/~takagi/