研究概要 |
本課題では、プライバシを考慮したIDベース暗号方式とトラスト管理システムへの応用に関する研究を進めている。署名付き暗号化(signcryption)は電子署名と暗号化の機能を組み合わせた方式であり、秘匿と認証を同時に処理可能である。Signcryptionの安全性は、電子署名と暗号化の機能に対して、それぞれEUF-CMA2とIND-CCA2のモデルが利用される。本年度は、複数の受信者が(n,k)閾値分散の復号化を可能とするsigncryptionを検討した。2011年にQin等(Security and Communication Networks,2011)は閾値分散復号化が可能なIDベースsigncryptionを提案したが、我々はこの方式の安全性はEuF-CMA2もIND-CCA2の何れも満たさないことを指摘した。また、Qi等の方式を改良することにより、EUF-CMA2とIND-CCA2を同時に満たす方式を提案し、送信者と受信者が共にID秘匿性を持つ機能を付け加えた新しい方式を構成した。一方、検証者を特定する電子署名方式(SDV)の安全性関しても考察を行った。2011年にHuang等(Journal of Systems an dSoftware,2011)は、IDベースのSDVSとして譲渡不可能性と代理不可能性を有する方式を提案した。我々は、Huang等の方式は偽造可能かつ判別可能であることを指摘し、主張する安全性が達成できないことを示した。
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