• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

作物の耐湿性向上に関わる根の酸素漏洩バリア形成の機構解明

研究課題

研究課題/領域番号 10F00095
研究機関名古屋大学

研究代表者

中園 幹生  名古屋大学, 生命農学研究科, 教授

研究分担者 KOTULA Lukasz  名古屋大学, 生命農学研究科, 外国人特別研究員
キーワードHordeum marinum / 耐湿性 / Radial O_2 Lossバリア
研究概要

畑作物では通気組織はできるものの、Radial O_2 Loss(ROL)バリアが形成されないために、酸素の大部分が根の基部から土壌へと漏洩してしまい、根端が酸欠になることが湿害発生の原因となる。ROLバリアとは、根の基部からの酸素漏洩を防ぐバリアのことで、通気組織を介した酸素輸送過程での酸素損失を最小限に抑えて根端まで効率的に酸素を供給する役割を担っている。本研究の材料であるHordeum marinumは畑作物と異なり、通気組織のほかにROLバリアを形成できるために、根端まで効率よく酸素を運ぶことにより過湿環境に適応することができる。
平成23年度はH.marinumのROLバリアを形成する系統のH21と形成しない系統のH90を用いて、低酸素処理を行い、ROLバリアの形成パターンを調査した。その結果、H21では顕著にROLバリアが形成されていたのに対して、H90ではROLバリアの形成はほとんど観察されなかった。また、外皮のスベリンラメラの染色を行った結果、H21ではスベリンの蓄積が観察されたのに対して、H90では観察されなかった。さらに、ガスクロマトグラフィーを用いて、H21とH90の根におけるスベリン含量の分析を行った。しかし、スベリンモノマーの組成については、スベリン染色のときほどの明確な差がH21とH90の間で見られなかった。その結果の再現性を確認するために、再度ガスクロマトグラフィー用の試料を調製したので、今後、再度スベリン分析を行う予定である。H.marinumの根の外皮付近の組織のみをレーザーマイクロダイセクションで単離後、網羅的な遺伝子発現解析を行うことになっていたが、これについては今後発展させる予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Mechanisms for coping with submergence and waterlogging in rice2012

    • 著者名/発表者名
      Nishiuchi, S., Yamauchi, T., Takahashi, H., Kotula, L., Nakazono, M.
    • 雑誌名

      Rice

      巻: 5 ページ: 2

    • DOI

      doi:10.1186/1939-8433-5-2

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Enhanced formation of aerenchyma and induction of a barrier to radial oxygen loss in adventitious roots of Zea nicaraguensis contribute to its waterlogging tolerance as compared with maize (Zea mays ssp.mays.)2012

    • 著者名/発表者名
      Abiko, T., Kotula, L., Shiono, K., Malik, A.I., Colmer, T.D., Nakazono, M.
    • 雑誌名

      Plant Cell Environ

      巻: (in press)

    • DOI

      doi:10.1111/j.1365-3040.2012.02513.x

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi