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2012 年度 実績報告書

網膜上丘軸索投射におけるドラキシンの機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 10F00115
研究機関熊本大学

研究代表者

田中 英明  熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 教授

研究分担者 NASER IftekharBin  熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 外国人特別研究員
キーワード網膜 / 上丘 / 遺伝子欠損マウス / ドラキシン / 軸索ガイダンス / マップ形成 / draxin / Eph
研究概要

神経回路網形成過程の代表的な例の一つとして、マップ形成と呼ばれる2次元的な面と面が対応する空間的な配置に対応した投射形成がある。これまでに最も詳細に解析されてきた実験系は、網膜の視神経軸索のカエルやトリでは視覚中枢である視蓋への投射マップ形成である。視蓋には網膜の軸索ガイダンスを制御するephrin分子が2次元的な勾配を持って発現し、網膜にもその受容体であるEphが2次元的な濃度勾配を持って発現機能していることが明らかにされた。同様に、マウスでも視蓋に対応する上丘に網膜から同様な投射が形成され、Eph/ephrin分子群が働いている。
我々の見出した軸索ガイダンス分子draxinは網膜の軸索成長を阻害する形で制御する。マウス新生児上丘では背側に濃度が高く、腹側に低い濃度勾配を持って発現していたことから、網膜からの軸索投射パターンを制御している可能性があった。野生型とdraxin遺伝子欠損マウスを用いて、蛍光色素Dilの標識を行い解析した結果、網膜から上丘への軸索投射パターンが異常であり、draxinはマップ形成分子であることが明らかになった。draxinの受容体として同定したnetrin受容体DCCは網膜視神経に一様に発現するものの、部位特異的な投射マップ形成に関与することがdraxin(+/-)DCC(+/-)のダブルヘテロマウス解析から明らかになった。また、draxin遺伝子欠損マウスのehrin/Eph分子の発現には変化が無く、draxinとの相互作用も見出せなかったことから、draxinはEphとは無関係に網膜上丘投射マップ形成に働いていた。Draxinは分泌型タンパクであり、分泌型軸索ガイダンス分子がマップ形成に寄与することを、遺伝子欠損マウスを用いて明らかにした最初の例である。

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公開日: 2014-07-16  

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