研究課題
FosBはFosファミリーに属する最初期遺伝子産物で、c-Fosと比較して発現が長時間持続することが知られる。我々は、ラット視床下部においてFosB発現がストレスにより惹起され、それが糖質コルコイドによって抑制されることを明らかにした。本研究では、手術侵襲ストレスおよび拘束ストレスによりFosB発現の時間経過を視床下部室傍核で検討し、c-Fosの時間経過を比較した。FosBはc-Fosと比較してより遅く立ち上がり、長期間発現が持続することが明らかにされた。次に、Fos-B発現がいずれの神経内分泌ニューロンに発現するかを検討した。ストレスによりFosBは視床下部室傍核のCRHニューロンに選択的に発現が認められた。さらに、ストレスにより視床下部室傍核において発現増加するFosBタンパク質は主としてFosBであり、deltaFosBタンパク質には明らかな増加が認められなかった。一方、FosB mRNA発現はc-Fos mRNA発現と同様、ストレス負荷後約30分程度で頂値を示した。したがって、FosB発現がc-Fosと比較して長期間持続するのは、転写レベルの差異ではなく、翻訳レベルあるいはタンパク質の安定性の差異による可能性が示唆された。今後、FosBがストレス応答において果たす生理的役割を明らかにして行く予定である。
すべて 2012 2011 2010 その他
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (21件) 備考 (1件)
分子精神医学
巻: 12 ページ: 37-41
Fluid Management Renaissance
巻: 2 ページ: 134-141
内分泌・糖尿病・代謝内科
巻: 32 ページ: 249-254
Journal of Neuroscience
巻: 31 ページ: 6132-6139
Journal of Neuroendocrinology
巻: 22 ページ: 33-42
Journal of Neiuroendocrinology
巻: 22 ページ: 467-476
巻: 22 ページ: 355-361
http://www.bio.is.tohoku.ac.jp