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2010 年度 実績報告書

ヒトT細胞白血病ウイルス1型による発がん機構の解明と標的治療法開発

研究課題

研究課題/領域番号 10F00126
研究機関京都大学

研究代表者

松岡 雅雄  京都大学, ウイルス研究所, 教授

研究分担者 ZHAO Tiejun  京都大学, ウイルス研究所, 外国人特別研究員
キーワードHTLV-1 / ATL / TGF
研究概要

本研究ではHBZ遺伝子のHTLV-1関連疾患発症機構を解析することを目的とした。TGF-β反応性レポーターを使ってATL細胞株におけるTGF-β経路の活性化を解析したところ、多くのATL細胞株ではTGF-β経路の活性化が認められた。TGF-β/Smadレポーターを使ってHBZの作用を解析したところ、HBZはTGF-β/Smad転写経路を強力に活性化した。HBZと活性化Smad,抑制性Smadとの結合を解析したところ、活性化Smad2,3と結合することが示された。次にp300阻害活性を有するE1AはHBZのTGF-β/Smad転写経路活性化を抑制したことからHBZによるTGF-β/Smad転写経路活性化にp300が関与することが明らかとなった。
HBZはactivation, central, bZIPという3つのドメイン構造を有しているがactivationドメインが活性化に必須であり、bZIPドメインはむしろ抑制に作用することが示された。HBZによるTGF-β/Smad転写経路活性化に意義を探るためにTGF-β/Smad転写経路により活性化される遺伝子群へのHBZの効果を解析した。マウスナイーブTリンパ球にHBZをレトロウイルスベクターにより発現させた。HBZを発現したTリンパ球においてSOX4, CTGF, FOXP3, RUNX1,などのTGF-β/Smad転写経路により発現が活性化する遺伝子の発現が上昇していた。Foxp3は制御性Tリンパ球のマスター遺伝子であり、HBZトランスジェニックマウスでは制御性Tリンパ球が増加することが報告されている。マウス及びヒトナイーブTリンパ球にHBZを発させるとFoxp3の発現が増加し、TGF-β存在下では、その発現が著しく亢進した。HBZによるTGF-β/Smad転写経路の活性化が、その機序であることが示された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] HTLV-1 bZIP factor induces T-cell lymphoma and systemic inflammation in vivo.2011

    • 著者名/発表者名
      Satou Y
    • 雑誌名

      PLoS Pathogens

      巻: 7 ページ: e1001274

    • 査読あり
  • [学会発表] Human T-cell Leukemia virus Type 1 bZIP factor enhances TGF-beta signaling through p300/CBP coactivators.2010

    • 著者名/発表者名
      趙鉄軍
    • 学会等名
      第69回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      大阪国際会議場(大阪府)
    • 年月日
      20100922-20100924

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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