研究課題/領域番号 |
10F00217
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研究機関 | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
秋庭 正人 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 動物衛生研究所安全性研究チーム, 主任研究員
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研究分担者 |
PETER FRANCIS Shahada 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 動物衛生研究所安全性研究チーム, 外国人特別研究員
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キーワード | サルモネラ / 薬剤耐性 / セフェム系抗菌剤 / β-ラクタマーゼ |
研究概要 |
抗菌剤が使用される家畜の生産現場は薬剤耐性菌選択の場の一つと考えられている。家畜由来薬剤耐性菌がヒトに感染した場合、その治療を難しくする可能性があるため、家畜由来食中毒菌の薬剤耐性化は公衆衛生上、看過できない。とりわけ、ヒトの治療に汎用される第3、4世代セフェム系抗菌剤に対する耐性菌の出現には注意を払う必要がある。 我々は南九州の食鳥処理場から採材したブロイラー鶏盲腸便より多剤耐性Salmonella enterica血清型Infantis (S.Infantis)を分離し、解析したところ、これら菌株が第3世代セフェム系抗菌剤に耐性を示すことを見いだした。この耐性は伝達性薬剤耐性プラスミド上に存在するTEM-52β-ラクタマーゼ遺伝子(blaTEM-52)に規定されていることを明らかにした。現在、blaTEM-52産生性S.Infantisの分布が南九州地域に限局したものなのかどうかを明らかにするため、日本全国から収集し、動衛研に保存されているS.Infantis株の薬剤感受性を解析中である。 一方、第3世代セフェム系抗菌剤に耐性を示すSalmonella enterica血清型Typhimurium (S.Typhimurium)が国内の牛から分離されている。この耐性はCMY-2β-ラクタマーゼ遺伝子(blaCMY-2)に規定されているが、blaCMY-2は染色体上またはプラスミド上に存在することが、これまでに明らかとなっている。これら菌株の性状を解析中である。
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